美味しさのかたち
 酒屋慶風
     さかやけいふう

【キレがいいとスッキリしたの違いは何だろう】

 前回の「キレのいい酒ってどんな酒」は、要するに造りの確かさに視点を置いて日本酒の味わいの「キレのよさ」を見た訳ですが、又別の要素もあることは確かです。
酸の影響とか、余韻の残り方とか、まだまだ「キレがいい」を説明する要素は他にもありますし、杜氏さんの考え方にもよります。
何せ、酒屋万流ですからね。

 つまり、「スパッとキレて、後に何もない」と言うキレもあるし、「アフター(余韻)があって静かに消える感じ」のキレのよさもあります。
飲み手である皆様には様々な味わいを楽しんで頂きたいと思います。

 ところで、この「キレがいい」とよく混同される表現に「スッキリとした」と言う表現があります。
今回はその違いを見てみたいと思います。

よく「コクのある美味い酒」と言う表現が使われますよね。
この対照的なのが「スッキリした味わい」と言えるのではないかと思います。
但し、その味わいが薄いから「スッキリ」とは一概には言えませんね。

スッキリした味わいとは、スマートで且つ繊細な味わいであり、薄っぺらに感じる味わいとは一線を画したいものです。
その上で、「キレのよさ」が加わってこそ美味しい酒なんだと思います。

  つまり「スッキリした」とは日本酒のタイプのことであり、「キレのよさ」とは日本酒の美味しさの表現の一つであるということになります。
大吟醸の多くは「スッキリした」タイプの代表例であると言えます。

さあ、日本酒の美味しさを表わす言葉を駆使して美味しい日本酒を探しましょう。

〔ちょっとひとり言〕
キレについて考えてみた訳ですが、この感覚を文字にすることはとても難しいことだと思いました。
誰もが深く考えることなく、「この酒、キレがいいねえ〜」と使っています。
もしかすると、この感覚は人それぞれが勝手に感じるものでいいのかもしれません。

お酒を誉める言葉としていつの頃からか自然に使われるようになったであろうこの言葉。
そして今ではもう当たり前に定着し、誰もが普通に使うようになった。
それでいいのかもしれません。
もう、あれこれ考えない方がいいのかもしれません。
ご自身が旨いと思うお酒が美味しいお酒なのですから。

 

                                      
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